「シャイターン」
目を開くとライラの顔がそこにあった。
「やっと起きたわね。さっきから何度も呼んでたのに…」
頬を膨らませムスッとしたまま言ってくる。
……?さっきも聞いた言葉なような。。。
あぁ…夢の中でもライラに言われた言葉だ…。
ライラは怒っていた表情から笑顔にかわり…
「はい」
と両手で何かを差し出し、シャイターンは片手で受け取った。
夢の中でもライラは物をくれた。
恐々とシャイターンは夢でした同じ問いをした。
「コレハ?」
「お礼よ」
「オ礼?」
「そう。今までありがとうの……どうしたの?」
ライラが言い終わる前にシャイターンは彼女の腕を掴んだ。
そのまま無言で体を引き寄せる。
「オ礼ナドイラヌ…ダカラ……」
「何処ニモ行クナ」
言いながらライラを強く抱きしめた。
「何処にも行かないよ。シャイターン」
「いきなりどうしたの?」
「夢ヲ見た。オ礼ダト物をクレタ後…君ガ消エル夢ダ」
「『今までありがとう』のお礼でもあるけど、
これは『これからもよろしく』っていう意味もあるの」
「だから…消えたりなんてしないわ……」
そっとライラはシャイターンから離れた。
笑顔で「これからもヨロシクね。シャイターン」と言いながら。
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めでたし。めだたし。 で終わろうと思ったけれど
ちょっと続きを書きました。
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しかしその笑顔が徐々に変わっていった。
その視線は一点に注がれている。
シャイターンは疑問に思い、視線の先を追う。
ライラを抱きしめる際に
潰して捨てた箱。
「ア」
慌ててそれを拾いに行ったが時既に遅し。
「シャイターンのバカ!!」の一言を残し、
ライラはシャイターンを突き飛ばして走り去っていった。。。
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シャイターンがライラの機嫌を直そうと必死になるでしょうな。
ちなみに…作中に入れることが出来なかった補足↓
・ライラとエーニャ達が話してたのはどんなチョコを作るかの相談。
そのため、シャイターンには聞かれたくなかったので「来ないで」と言ったのでした。
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